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イノベーションとCIOの役割

ITを戦略的に活用するためには、高度なIT専門知識と組織の現場を知る高度IT人材が不可欠だ。特にIT経営戦略を先導する最高情報統括責任者(CIO)には、これらの資質を加え幅広い知見と変革への指導力などを兼ね備えた人材が望まれる。
CIOは、三つのイノベーションに対応しなければならない。①自社のビジネスモデル転換への対応 ②自社のプロセス技術転換への対応 ③情報技術イノベーションへの対応 である。それぞれについてCIOの役割を見てみる。

自社のビジネスモデル転換への対応

ITが全く新しいサービスを実現したことによって、ビジネスモデルの転換を迫られている業界は多い。チケット会社を考えてみると、従来の紙ベースのチケットから、携帯電話などを利用した電子チケットへの移行はビジネスモデルの転換である。
こうした変化は、ITだけの問題ではない。電子チケットの場合は、チャネルの再構築とパートナー相手の再編成を伴う。ここでのCIOの役割は、ITがビジネスもどぇるの根幹に関係する場合は、ビジネスモデル設計への関与から始まる。

自社のプロセス技術転換への対応

自動車のデジタルエンジニアリングについて考えると、三次元CADや製造プロセスのシミュレーション技術の発展によって、リードタイム削減と手戻りの減少などによるコスト削減が進んでいる。プロセス技術の転換は、各部門の仕事内容を変えるだけでなく、部門間の関係や企業間の関係を変えることも多い。ここでのCIOの役割は、他部門へのサポート統括が中心となる。変革は、現業部門中心に進む。プロセス技術の転換は、効果が明確であることが多い。関連するITコストの収益管理も、CIOの役割である。

情報技術のイノベーションへの対応

例えば、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)やオープンソース化への対応が挙げられる。SaaSとは「ネット経由で提供されるソフトウェアサービス」のことで、従来から存在するASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)サービスの発展型である。

SaaSは、「ASP+マルチテナント」だととらえられる。ここでのウェブサービスとは、インターネットを活用して、XMLによってデータやアプリケーションを連携させるウェブ2.0の技術のことだ。マルチテナントとは、物理的に同じサーバーを複数ユーザー企業で共有するシステムのことである。SaaSは、既存基幹系システムとのスムースな連携などの課題も存在するが、ITコストを画期的に下げる可能性、導入リードタイムの画期的短縮を実現する可能性がある技術である。ここでのCIOの役割は、新技術の理解と、自社への導入タイミングの企画・実現の旗振り役である。

このように、CIOの役割は対応すべきイノベーションの種類によって異なるが、その「役割の重要性」は同じである。

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